アイドルとおんがくに囲まれたHappyLife

某アイドル事務所に心奪われているいい大人。おんがく大好き人間で、かなりのヲタ気質。だけど、文章はうまくないのが難点(苦笑)

グリーンマイルが好きすぎて、終わるのが怖い

ちょっとどこかで同じ内容を見かけるかもしれませんが、同一人物なのでパクリではありません(笑)

 

グリーンマイル、私にはハマった舞台、ということです。正直、あんなにシンプルな、ストレートプレイを見たのは久しぶりなんですよ。イキウメの前川さんがおっしゃっていましたが、(今ツイッター探したけど見つけられん)、「脚本がいいから、そのままやろうという気概を感じた男っぽい舞台だった。」(ニュアンスで読んでね)

 

まさにそれだなーと思っておりました。脚本を変にいじることもなく、瀬戸山さんの脚本って、引き算なのかなーって思いました。話の骨子があって、エピソードはたくさんあるんだけど、それを2h30分という尺のなかでどう作っていくか。

 

舞台芸術」として、「グリーンマイル」は秀逸なものだと思います。

 

過度にならない音楽、脚本、キャスティング、舞台美術、衣装、そして、照明。今回のカギは照明な気がしてる。そして「時間軸」の作り方。過度な小道具も出てこないから、あまりに忠実に再現された電気椅子が怖いのだ。それは冷たい冷たい「死」そのものの象徴であるからだ。

 

そして、あのでずっぱり、喋りっぱなしの膨大なセリフ量を毎回こなし、だんだんとポール・エッジコムに憑依していっている加藤シゲアキ。なんか、もう演じてる、というよりポールそのものなんじゃないのかな、と思っていて。でも、あの重い役柄を毎日毎日、ある程度同じテンションまで引き上げている加藤さんに尊敬の念も抱く。いや、同じどころかどんどん心の中のテンション(看守主任だから基本は冷静)が上がっていっている気がする。実直な感じが、一生懸命演じていることで、相乗効果を発揮して、当たり役だと思う。

 

役者さんがほんとに全員とにかくいい。映画も個性的ではあるのだけど、舞台の上でお互いがだんだん掛け算していっているのがすごい生っぽい。あまりアドリブ言って笑わせるような演劇ではないんだけど、それでもアドリブ入れてきて和ませてくれる、ブルータス中山雄一朗さん(グレートネイチャーでおなじみ)とか、ディーン永田涼さんのお茶目な言い回しだったり、デラクロワの明るいながらの一種物悲しさは、加納幸和さんにしかだせない。小野寺昭さんのあの出番の時の安心感たるや。所長にぴったりだ。奥様を愛している所長。それが優しい小野寺さんの雰囲気にマッチする。

 

そして、鍛冶直人さん。ウォートンのあの不気味さ、怖さ、残忍さ。しかし、とあるセリフで、彼も人間なのか、と思わせるところがある。伊藤俊輔さん演じるパーシー。ほんとに映画を見たときは嫌な奴だ。としか思っていなかった。でも、看守三人が、いかに死刑囚を心穏やかに送り出すか、ということに心を砕いているのに、パーシーだけ見ている方向が違う。なぜなんだろう。とすごくある意味、権力を振りかざすパーシーにもの悲しさすら感じてしまう。

 

セットがない分、時間軸を飛び越えて、登場人物が出てきても全くの違和感を感じない。むしろ必要だとさえ思えるのだ。

 

そして、把瑠都さんだ。もうはまり役だってさんざん言ってるけど、表情が、優しいのだ。ある意味達観した表情にも、諦めにもみえるし、それとたどたどしい日本語が返って、ジョン・コーフィーという役柄を引き立てているように感じている。その短いセリフの中にも、感情の込め方がだんだんと変わってくる。そして、ポールには笑顔を見せるまでに信頼関係を築くのも、このポールとコーフィーならありなんだなとすごく説得力がある。

 

照明に関しては、これは秀逸、まいりましたとしか言いようがない。2階3階の人は俯瞰でみれてラッキーです。照明で作り出す空間、というのをぜひ見逃さないでもらいたい。とてもカギになっている。演劇は前列で見るのがいい、とは限らないというのはこういうところ。全体を見渡せて気づくことがたくさんあるんです。

 

パンフレットも美しくて。瀬戸山美咲さんとの対談も読みごたえがありますし、なにより加藤さんが美しい♡看守姿じゃないのがちょっと残念ですが、それは雑誌に期待しましょう。

 

千穐楽まであと1週間。私は終わったらたぶんロスになると思います。でも、それでもいいぐらい、グリーンマイルに今は浸っていたい。加藤さんのたくましくなった背中は、彼の努力の結果。できるだけたくさんの人に見届けてほしい、そして惜しみない拍手を送ってもらいたい。

 

私はそんな人知れず努力する加藤シゲアキが大好きだ。そして、真摯に仕事に向き合う加藤シゲアキが大好きだ、と改めて感じさせてくれる舞台だ。「死」を題材にする舞台だけど、そこには明らかな圧倒的な「生」がある。

 

この作品にであえてよかった。ありがとう。カンパニーの皆さん。大好きだよ!